2017年 03月 07日
マグニフィセント・セブン ~ 戦い好きの七人 |
ご存知黒澤明の「七人の侍」のハリウッド焼き直し版です。
ずっと以前にはユル・ブリンナーがリメイクした「荒野の七人」がありましたが、黒澤オリジナルを含め、そこら辺をゴッチャまぜにした作品って感じでした。
とても抗えない権力を握った悪漢に街を牛耳られている住民が、力のあるならず者たちにサポートを頼み込み、その意気に感じた七人が街に乗り込んで、住民とともに悪漢どもに立ち向かうという枠組みはいっしょです。
悪漢に夫を理不尽にも殺された未亡人が、名うてのガンマンにその窮乏を訴え、それを聞き入れたガンマンがまず仲間を集める。
前半はその仲間集めが見どころ・・・
ひとクセもふたクセもある猛者どもが、それぞれの理由で仲間に加わるのがまずスタート。
そして戦う姿勢を調え相手を挑発、怒り狂った相手が攻め込んでくるのを迎え撃ち・・・
そのままクライマックスへとなだれ込んで行く・・・
そこはオリジナルとさほど変わらずで、ここからはハラハラドキドキの連続です。
もちろんアクションシーンは今風になっているので、旧作とは比べものにならない迫力です。
ものすごくド派手なドンパチをやらかしてくれます。
確かに見ごたえ十分のアクションが満載なのですが、何となくどこか大味なのは歪めませんでした。
黒澤オリジナルでは、何の報酬も得られない戦いにあえて挑むサムライたちの矜持が際立っていました。
村人たちと共に戦うのは失いかけたサムライの大義に目覚めたから、という状況設定にキチンと説得力を持たせていました。
だからこそ、マグニフィセント(崇高な) セブン(七人)だったのです。
ところが本作ではそこのところをまったくおざなりにしているので、ガンマンたちの戦うポリシーがものすごく希薄にしか映らない。
アクションが派手でリアルになればなるほど、だからこの七人は戦うことが楽しいだけのただの好戦的な男たちにしか見えない。
良くも悪くもゲーム感覚にしか見えませんでした。
たとえ敵味方に別れているとはいえ、そこには命をやり取りせざるを得ない悲哀が、黒澤オリジナルの通底には流れていましたが、ここではそれは望むべくもありませんでした。
ハリウッドにそれを望むのが間違いなのかも知れないけれど・・・
ところで、敵役の悪漢は金鉱採掘を業とする資本家で、自分の事業の貫徹のためには手段を選ばない男・・・
保安官や州の軍隊までその経済力で意のままに動かすことが出来るという設定。
法の秩序など自分の都合で何とでもしてしまおうというところなど、昨今物議を醸してばかりのどこぞの大統領にソックリではありませんか?・・・
しかもそれに対するマグニフィセント・セブンは、アフリカ系のリーダーを筆頭にアジアン、メキシカン、さらにはネィティブまで加わり、多様な人種がその枠を超えひとつになって、悪しき反動資本家に立ち向かうという図式・・・
この作品の製作時には大統領選はまだはるか先の話だったと思われますが、見事に今を予見していたのでは?・・・
となると、悪漢はいつか彼らに滅ばされてしまう結果になるのですが・・・
ずっと以前にはユル・ブリンナーがリメイクした「荒野の七人」がありましたが、黒澤オリジナルを含め、そこら辺をゴッチャまぜにした作品って感じでした。
とても抗えない権力を握った悪漢に街を牛耳られている住民が、力のあるならず者たちにサポートを頼み込み、その意気に感じた七人が街に乗り込んで、住民とともに悪漢どもに立ち向かうという枠組みはいっしょです。
悪漢に夫を理不尽にも殺された未亡人が、名うてのガンマンにその窮乏を訴え、それを聞き入れたガンマンがまず仲間を集める。
前半はその仲間集めが見どころ・・・
ひとクセもふたクセもある猛者どもが、それぞれの理由で仲間に加わるのがまずスタート。
そして戦う姿勢を調え相手を挑発、怒り狂った相手が攻め込んでくるのを迎え撃ち・・・
そのままクライマックスへとなだれ込んで行く・・・
そこはオリジナルとさほど変わらずで、ここからはハラハラドキドキの連続です。
もちろんアクションシーンは今風になっているので、旧作とは比べものにならない迫力です。
ものすごくド派手なドンパチをやらかしてくれます。
確かに見ごたえ十分のアクションが満載なのですが、何となくどこか大味なのは歪めませんでした。
黒澤オリジナルでは、何の報酬も得られない戦いにあえて挑むサムライたちの矜持が際立っていました。
村人たちと共に戦うのは失いかけたサムライの大義に目覚めたから、という状況設定にキチンと説得力を持たせていました。
だからこそ、マグニフィセント(崇高な) セブン(七人)だったのです。
ところが本作ではそこのところをまったくおざなりにしているので、ガンマンたちの戦うポリシーがものすごく希薄にしか映らない。
アクションが派手でリアルになればなるほど、だからこの七人は戦うことが楽しいだけのただの好戦的な男たちにしか見えない。
良くも悪くもゲーム感覚にしか見えませんでした。
たとえ敵味方に別れているとはいえ、そこには命をやり取りせざるを得ない悲哀が、黒澤オリジナルの通底には流れていましたが、ここではそれは望むべくもありませんでした。
ハリウッドにそれを望むのが間違いなのかも知れないけれど・・・
ところで、敵役の悪漢は金鉱採掘を業とする資本家で、自分の事業の貫徹のためには手段を選ばない男・・・
保安官や州の軍隊までその経済力で意のままに動かすことが出来るという設定。
法の秩序など自分の都合で何とでもしてしまおうというところなど、昨今物議を醸してばかりのどこぞの大統領にソックリではありませんか?・・・
しかもそれに対するマグニフィセント・セブンは、アフリカ系のリーダーを筆頭にアジアン、メキシカン、さらにはネィティブまで加わり、多様な人種がその枠を超えひとつになって、悪しき反動資本家に立ち向かうという図式・・・
この作品の製作時には大統領選はまだはるか先の話だったと思われますが、見事に今を予見していたのでは?・・・
となると、悪漢はいつか彼らに滅ばされてしまう結果になるのですが・・・
by anculu
| 2017-03-07 12:02
| シネマハウス
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