2014年 01月 08日
ゼロ・グラビティ ~ 宇宙をさまよう |
今年のアカデミー賞の呼び声高いSFサスペンスと、評判らしく・・・
お正月明けの夜、イオンシネマで見ました。
けど、その評判の高さとはウラハラに、この夜の観客はたったの5人・・・
もう、笑っちゃうしかないですね。
3Dを見るのは初めてなので、クリップ式のグラスを購入し、しめて1,600円なり・・・
シニア料金でこれって、チョイと高くないかい?・・・
事故により地上600kmの宇宙空間に放り出され、スペースシャトルも大破してしまった宇宙飛行士と女性エンジニア・・・
うち女性エンジニアだけが何とか生き延び、地球への生還を目指して奮闘する姿が描かれます。
最大の見どころは、VFXを駆使した臨場感あふれる映像。
放り出され、無重力(ゼロ・グラビティ)の空間を回転し続けるヒロイン。
その恐怖を彼女の視点で捉えた映像が、我々観客にも宇宙空間を漂流しているような感覚を味あわせてくれます。
この疑似体験は3Dならではのもの・・・
ネジやボールペン、ヒロインが流した涙の粒までが、ふわふわと浮かぶようすもリアルです。
確かにスゴいのひと言に尽きるのですが、でも、それはあくまでアトラクションとして見たらであって、映画としてはどうなんだろう?って思ってしまいました。
宇宙空間という絶対の孤独の中に在って、人間の内側をさらに深く掘りさげるアプローチも出来たはずなのに、そのかけらもなく・・・
ヒロインには亡くした愛娘がいたというプロットも、何ら生かされなかったのは残念です。
結局、残ったのは 「never give up(けっして諦めるな!)」という、ハリウッドお決まりのきわめて楽天的な安っぽいメッセージだけ・・・
映画には“人間”を垣間見たいと求めるアンクルにとって、その意味でまず、期待はずれと云わざるを得ない作品です。
L.A.Times紙の読者が投票する「最も過大評価された映画」の1位に、これが選ばれたというのも、なるほどとうなずけます。
命綱ひとつで宇宙空間に浮かんでいたり、ソユーズの中で縮こまっているヒロインの姿に、母の胎内にいる胎児のイメージが重なりました。
酸素も気圧も音さえない宇宙空間では、支えてくれるものも助けてくれるものも、何もありません。
そこでは、人間はただ弱くてちっぽけな、全くの無力な存在にしか過ぎないのです。
それを実感した時はじめて、人間は地上でのおのれの傲慢さに気づくのかも知れません。
そして、その時はじめて、自らのすぐ近くに“神のわざ”を感じるのかも知れません。
お正月明けの夜、イオンシネマで見ました。
けど、その評判の高さとはウラハラに、この夜の観客はたったの5人・・・
もう、笑っちゃうしかないですね。
3Dを見るのは初めてなので、クリップ式のグラスを購入し、しめて1,600円なり・・・
シニア料金でこれって、チョイと高くないかい?・・・
事故により地上600kmの宇宙空間に放り出され、スペースシャトルも大破してしまった宇宙飛行士と女性エンジニア・・・
うち女性エンジニアだけが何とか生き延び、地球への生還を目指して奮闘する姿が描かれます。
最大の見どころは、VFXを駆使した臨場感あふれる映像。
放り出され、無重力(ゼロ・グラビティ)の空間を回転し続けるヒロイン。
その恐怖を彼女の視点で捉えた映像が、我々観客にも宇宙空間を漂流しているような感覚を味あわせてくれます。
この疑似体験は3Dならではのもの・・・
ネジやボールペン、ヒロインが流した涙の粒までが、ふわふわと浮かぶようすもリアルです。
確かにスゴいのひと言に尽きるのですが、でも、それはあくまでアトラクションとして見たらであって、映画としてはどうなんだろう?って思ってしまいました。
宇宙空間という絶対の孤独の中に在って、人間の内側をさらに深く掘りさげるアプローチも出来たはずなのに、そのかけらもなく・・・
ヒロインには亡くした愛娘がいたというプロットも、何ら生かされなかったのは残念です。
結局、残ったのは 「never give up(けっして諦めるな!)」という、ハリウッドお決まりのきわめて楽天的な安っぽいメッセージだけ・・・
映画には“人間”を垣間見たいと求めるアンクルにとって、その意味でまず、期待はずれと云わざるを得ない作品です。
L.A.Times紙の読者が投票する「最も過大評価された映画」の1位に、これが選ばれたというのも、なるほどとうなずけます。
命綱ひとつで宇宙空間に浮かんでいたり、ソユーズの中で縮こまっているヒロインの姿に、母の胎内にいる胎児のイメージが重なりました。
酸素も気圧も音さえない宇宙空間では、支えてくれるものも助けてくれるものも、何もありません。
そこでは、人間はただ弱くてちっぽけな、全くの無力な存在にしか過ぎないのです。
それを実感した時はじめて、人間は地上でのおのれの傲慢さに気づくのかも知れません。
そして、その時はじめて、自らのすぐ近くに“神のわざ”を感じるのかも知れません。
by anculu
| 2014-01-08 23:36
| シネマハウス
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