2013年 01月 09日
アンクル・シネマ大賞~2012 |
ちょうど10年前の2003年3月、『県営滋賀会館シネマホール』が閉鎖との発表を受け、存続を呼びかけたファン有志が母体となって「滋賀会館シネマホールファンクラブ(通称:シネファンク)」が結成されました。
そしてその6月、公設民営館として復活に漕ぎつけ、県、上映会社、シネファンクが一体となって、上映を続けたのです。
しかし、建物の老朽化などにより、7年後の2010年3月に県はついに滋賀会館の文化事業の廃止を決定。
シネマホールも3月31日で上映を終了、惜しまれながら閉館しました。
ただ、その7年間、アンクルはシネファンク設立メンバーのひとりとして、同じ趣味を持つ人たちと出会い、いつも映画に関われる喜びを与えられつつ、各種映画祭やシネマ塾など、さまざまな試みにチャレンジさせてもらうことが出来ました。
アンクルの人生の中で、とても充実した意味のある時間だったと思います。
その試みのひとつに、「コミュニティシネマ大賞」なるものがありました。
毎年、復活の6月から翌5月までの1年間に上映した作品の中から、動員数や観客の投票、シネファンクメンバーの投票などをまとめて、大賞と他にいくつかの賞を選んでいたのです。
選ばれた作品は、シネマホ-ルで再上映されました。
選考したのは、メンバーの中から選出された数名の“選考委員”。
そして、その委員長をずっと勤めたのが、誰あろうこのアンクルだったのです。
それぞれ、映画好きを自負する委員たちとの、ケンケンガクガクのやり取りはとても面白く、楽しい思い出です。
今はもう、それも出来なくなってしまいましたが、せめてこのブログだけの<アンクルシネマ大賞!>を選考したい、と思うに至りました。
アンクルの独断と偏見だけで選ぶ、1年間の映画「わがままベスト3」です。
2012年1月から12月までに、アンクル自身が見た作品の中から選ぶことにしました。
それは、次の14作品です。
*ヒミズ *家族の庭 *サラの鍵 *マーガレット・サッチャー/鉄の女の涙 *アーティスト *風にそよぐ草 *別 離 *ニーチェの馬 *11・25自決の日!~三島由紀夫と若者たち *トガニ *あなたへ *希望の国 *北のカナリアたち *思秋期
どれも捨てがたいのですが、あえてその中から選ぶなら・・・
まず、第3位・・・ <別 離>
めずらしい、イラン映画です。
プロットや伏線にほころびや違和感がなく、シナリオがとても良く出来ていて、感心しました。
子供の教育、親の介護、離婚、失業、雇用といった、きわめて現代的でドメスティックな問題があぶり出されます。
それと同時に、欧米の考え方を身につけた富裕な雇う側と、その日を生きるのに精一杯で、だからこそイスラムの規範にすがりつかざるを得ない、貧しい雇われる側との埋めることの出来ない溝も浮かび上がって来ます。
欧米諸国と中近東諸国の対立は、キリスト教とイスラムの文明の衝突などでは決してなく、収奪する欧米諸国と、される中近東諸国の富の偏在による格差の対立であることが、非常によく理解できます。
続いて、第2位は・・・ <思秋期>
小粒ながらも、とても見応えのある、イギリス映画。
壊れかけた中年男と、つらい闇を抱いた女性が、互いの絆を少しずつたぐり寄せ、かすかな希望を見出す姿がリアルに描かれます。
安っぽい見せかけの優しさや救いを慎重に遠ざけて、それでも人が支えあうことの大切さを切々と訴えかけ、心に残りました。
そして、堂々の第1位は・・・ <希望の国>
やはりある意味で、今見なければ、と思わせられた作品です。
監督の園子音が述べている通り、ドラマだからこそドキュメンタリーにはない“感情”が渦巻き、それが3・11のもつ意味をより鮮明にしていると感じました。
案の定、3・11の後始末も総括も結局ウヤムヤにして、昔の政権に戻るやさっそく、被災地の皆さんの想いなどそっちのけで、株価が上がったと舞い上がり、またぞろ原発を再稼動させようとしている・・・
この国の、そんなどうしようもない姿が、あらためて浮かび上がります。
3作とも、やはりミニシアター系の映画になりました。
そんなワケで、『滋賀会館シネマホール』がなくなった今、せっせとまた『京都シネマ』へ足しげく通う1年になりそうです。
そしてその6月、公設民営館として復活に漕ぎつけ、県、上映会社、シネファンクが一体となって、上映を続けたのです。
しかし、建物の老朽化などにより、7年後の2010年3月に県はついに滋賀会館の文化事業の廃止を決定。
シネマホールも3月31日で上映を終了、惜しまれながら閉館しました。
ただ、その7年間、アンクルはシネファンク設立メンバーのひとりとして、同じ趣味を持つ人たちと出会い、いつも映画に関われる喜びを与えられつつ、各種映画祭やシネマ塾など、さまざまな試みにチャレンジさせてもらうことが出来ました。
アンクルの人生の中で、とても充実した意味のある時間だったと思います。
その試みのひとつに、「コミュニティシネマ大賞」なるものがありました。
毎年、復活の6月から翌5月までの1年間に上映した作品の中から、動員数や観客の投票、シネファンクメンバーの投票などをまとめて、大賞と他にいくつかの賞を選んでいたのです。
選ばれた作品は、シネマホ-ルで再上映されました。
選考したのは、メンバーの中から選出された数名の“選考委員”。
そして、その委員長をずっと勤めたのが、誰あろうこのアンクルだったのです。
それぞれ、映画好きを自負する委員たちとの、ケンケンガクガクのやり取りはとても面白く、楽しい思い出です。
今はもう、それも出来なくなってしまいましたが、せめてこのブログだけの<アンクルシネマ大賞!>を選考したい、と思うに至りました。
アンクルの独断と偏見だけで選ぶ、1年間の映画「わがままベスト3」です。
2012年1月から12月までに、アンクル自身が見た作品の中から選ぶことにしました。
それは、次の14作品です。
*ヒミズ *家族の庭 *サラの鍵 *マーガレット・サッチャー/鉄の女の涙 *アーティスト *風にそよぐ草 *別 離 *ニーチェの馬 *11・25自決の日!~三島由紀夫と若者たち *トガニ *あなたへ *希望の国 *北のカナリアたち *思秋期
どれも捨てがたいのですが、あえてその中から選ぶなら・・・
まず、第3位・・・ <別 離>
めずらしい、イラン映画です。
プロットや伏線にほころびや違和感がなく、シナリオがとても良く出来ていて、感心しました。
子供の教育、親の介護、離婚、失業、雇用といった、きわめて現代的でドメスティックな問題があぶり出されます。
それと同時に、欧米の考え方を身につけた富裕な雇う側と、その日を生きるのに精一杯で、だからこそイスラムの規範にすがりつかざるを得ない、貧しい雇われる側との埋めることの出来ない溝も浮かび上がって来ます。
欧米諸国と中近東諸国の対立は、キリスト教とイスラムの文明の衝突などでは決してなく、収奪する欧米諸国と、される中近東諸国の富の偏在による格差の対立であることが、非常によく理解できます。
続いて、第2位は・・・ <思秋期>
小粒ながらも、とても見応えのある、イギリス映画。
壊れかけた中年男と、つらい闇を抱いた女性が、互いの絆を少しずつたぐり寄せ、かすかな希望を見出す姿がリアルに描かれます。
安っぽい見せかけの優しさや救いを慎重に遠ざけて、それでも人が支えあうことの大切さを切々と訴えかけ、心に残りました。
そして、堂々の第1位は・・・ <希望の国>
やはりある意味で、今見なければ、と思わせられた作品です。
監督の園子音が述べている通り、ドラマだからこそドキュメンタリーにはない“感情”が渦巻き、それが3・11のもつ意味をより鮮明にしていると感じました。
案の定、3・11の後始末も総括も結局ウヤムヤにして、昔の政権に戻るやさっそく、被災地の皆さんの想いなどそっちのけで、株価が上がったと舞い上がり、またぞろ原発を再稼動させようとしている・・・
この国の、そんなどうしようもない姿が、あらためて浮かび上がります。
3作とも、やはりミニシアター系の映画になりました。
そんなワケで、『滋賀会館シネマホール』がなくなった今、せっせとまた『京都シネマ』へ足しげく通う1年になりそうです。
by anculu
| 2013-01-09 23:14
| シネマハウス
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