この一年 ~ 山雷頤 |
今年の卦は<山雷頤(さんらいい)>・・・
早春、山の下で雷が鳴り響き、草木が一斉に芽吹くイメージから「養う」を表します。
また、形が口に似ていることから口をも表しています。
頤(い)は下あご(おとがい)のことで、嚙み砕き、飲み込み、全体を養うという意味があります。
口は一般に言語飲食を意味し、そこから何をもって養っているか、つまり何を話し、何を食しているかを見極めることが肝要だと教えます。
この1年は「養う」年になりそうです。
世の潮目は今までとは全然違う方向に変わりつつあります。
ヨーロッパでもアメリカでも内向きの後戻り志向が鮮明になって来ました。
日本でもアベやハシモトたちの台頭ですでに極右化は始まっています。
知性やデモクラティックな考えが嫌悪され、刹那的ポピュリズムに支配されようとしています。
民主主義がどんどん愚民化に後退して、第一次世界大戦前夜の危険な香りがどこからか漂って来ているように感じます。
ここはじっと目を見据えて、我々は口実つまり欲求を満たすべき手段、方法の是非を問わなければなりません。
不寛容で破滅的な崩壊の道に進むのか?・・・
それとも踏み止まって、新しい共生の手掛かりを探るのか?・・・
今年はそれを見極める目を「養う」重要な1年になるのではないでしょうか?
ふり返って我が身のこの1年は?・・・
この卦の現状況を示す爻辞には「虎視眈々」と出て来ます。
つまり獲物を捕らえる機会をじっと「養え」ということ・・・
ひとつずつ自分の思い描く世界に近づけるようあらゆる手段を駆使せよ、ということと解釈して、今年も邁進して行きたいと思います・・・
酔仙は寝正月の後、鹿島神宮、香取神宮に初詣ドライブなどしているうちに
はや、松の内も過ぎてしまいました。
今年の卦は「山雷頤」ですか。なんとなくわかりにくい卦ですが、ネットで
解説をググると、
「自分の口を満たそうとする手段を観察せよ。それが正しければ吉である。」
などとありました。してみると、ABやらトランプやらやら、もろもろの
嘘八百で権力がせめぎ合うPost-Truthの現在は、それとは真逆の大凶と
いうことになりそうです。南無阿弥陀仏。
今年も時間を見つけて印に刻してみたいものです。
今年もご指導よろしくお願いします・・・
易ですが昨年の「火天大有」といい今回といい解釈がかなり
難しいです。
<頥は貞し(ただし)ければ吉 頥を観る 自ら口実を求む>
食すもの話すこと、その手段・方法が正しければ吉ということ。
易は常により人間的であろうとし、天下のために力を尽くす人を
良しとします。
ただ食ってくっちゃべるだけならケダモノと変わらず・・・
口実つまりその信条が正しいか否かを問うており、あまりいい卦とは
位置づけられてはいないようです。
心の豊かさや幸せなど省みられない寒々とした印象です。
アベノミクスなどと目先の良い生活だけを追っているようじゃダメ。
よしんば経済発展を良しとしても、それは世の何のために必要なのかを
問い詰めねば吉とはならぬ・・・
そういう教えだと思います。