『めなみ』デビュー! |
まもなく1年になります。
昨年3月、卒業式のあとに我が家を訪ねて来たころと較べると、それなりに社会人ぶりも板について来たような気がします。
ちょうど、仕事先が京都なので、クリニックに通う日など時間を合わせて、夕食を共にしたりします。
まぁ、まだまだスネはかじられっ放しですけどね・・・
今回は、三条木屋町の『めなみ』に連れて来ました。
おばんざい風の京料理を楽しませてくれる、我が家お気に入りの小料理屋さん・・・
イタリアンの“バルベッタ”、居酒屋の“赤垣屋”と来て、さて次は・・・
めいっ子には、ちょっとまだ早いかな?と思えなくもなかったのですが・・・
でもまぁ、もうそろそろかな?とも思えたり・・・
そんなこんなで、はれて『めなみ』デビュー!です。
まずは、あたりさわりのないオーダーからと、<湯葉春巻き>・・・
これは、誰に勧めても美味しいと思われるだろう一品だからです。
めいっ子が自らオーダーしたのが、<蟹とアボガドのタルタル>・・・
なかなか渋いチョイス。
う~ん・・・おぬし、やるではないか!という感じです。
鯖のしめ具合が絶妙な、アンクルお気に入りの、<きずし>・・・
生ものが駄目なはずの彼女に、「これはイケる!」と半分以上食されてしまった。
おぬし、相当やるではないか!・・・
このお店に通い始めたのは、アンクルがまだ30代のころ。
お店の方は話したがらないのですが、実はここ俳優の近藤正臣さんのご実家です。
近藤さんのお母さんが名物女将で、それを慕う大学の先生たちが足しげく通う、とても有名なお店でした。
もっとも、アンクルが通い始めたころは、もうすでに現在の女将さんのお父さんに代替わりしてはいましたけど・・・
そんなお店だったので、始めはけっこう背伸びして暖簾をくぐったことを覚えています。
若いころは、何だか自分だけが取り残されていくような感覚に、いつも追い立てられていました。
それから逃れたくて、分不相応な背伸びや無理を重ねたりしたものです。
そんなあのころの、現状から何とか抜け出したいと願っていた、生意気だけど切実な気持ちが、大袈裟に云うならここに足を運ばせたのでしょう。
それから、足かけ30年・・・
背伸びもようやく身の丈に合って来たような気がします。
だからこのお店の味は、そんなチョッとほろ苦い人生の味でもあるのです。
めいっ子は、今まさに大人としてのスタートラインに立ったばかり・・・
まだ若い彼女が、これから先どんな人生を歩むかは、もちろん誰にもわかりません。
しかし、それは決して楽しいばかりではない、むしろ哀しさを知るための道のりでもあります。
その果てなき旅路の道すがら、ふと立ち寄ることの出来る場所・・・
ここが、そんなところになってくれれば・・・
そしてその時、少しだけ我々のことを思い出してくれたなら・・・
そんな願いを込めての、ちょっと切ない“デビュー”でもあったのかな? と思います。
まぁ、本人はそんなこと、全然考えてもいないんでしょうけどね。